研究を進めるとき、「まずはデータを集めてから考えよう」と思ってしまうことはありませんか?
しかし、倫理審査を受けずに研究を進めてしまうと、どれほど素晴らしい成果を得ても「発表できない」「評価されない」という大きな壁に直面する可能性があります。
1. 倫理審査がなければ、学会発表も論文化もできない
どれほど質の高いデータを集めても、倫理審査を通過していない研究は学会発表や論文投稿が認められないケースが増えています。
「せっかく頑張ってデータを集めたのに」「こんなに長い期間、一生懸命に研究したのに」──その成果が公式の場に出せないのは、とても悔しいことです。
2. 倫理違反は組織や研究者の信用を失うリスクに
研究の成果だけでなく、研究者や組織そのものの信用は、倫理的なプロセスを踏んでいるかどうかで大きく左右されます。
不適切な体制で進めた研究は、後から指摘を受ければ社会的信用を失う大きなリスクにつながります。
3. 次の研究資金や共同研究にも悪影響
一度「倫理的に不適切」と判断されてしまうと、研究資金の獲得や他機関との共同研究に悪影響を与えることもあります。
短期的な問題にとどまらず、長期的な研究キャリアや組織の将来にも響きかねません。
研究出身者には「当たり前」でも、実は盲点になりやすい
研究現場にいた方にとっては、「倫理審査は必ず通すもの」というのは常識かもしれません。
しかし近年、ヘルスケア分野に参入するベンチャー企業や、大手企業の新規事業部門などでは、意外とこの常識が共有されていないケースが少なくありません。
「医療・ヘルスケアは大事だから」という熱量で取り組みが始まっても、倫理審査を知らずに進めてしまうと成果を世の中に出せなくなるリスクがあるのです。
なぜ研究開始前に倫理審査が必要なのか?
研究結果は始める前には誰にも分かりません。だからこそ、どんな結果が出ても正しく評価される準備として、研究開始前に倫理審査を受けておくことが欠かせないのです。

「この研究に倫理審査は必要?」と迷ったら
- この研究は倫理審査不要では?
- 匿名化すれば大丈夫?
- こういうケースは観察研究なの?介入研究なの?
- そもそも介入研究って?
実際には、この判断は研究の種類や対象によって大きく変わります。迷ったら、早めに専門家に相談することがリスク回避につながります。
ヘルスケアサーカスでは、研究デザインの段階からサポートします。
せっかくの研究成果を無駄にしないために、ぜひお気軽にお問い合わせください。