―「満足度調査」と「研究」の境界線ー
「アンケート調査をするだけだから、倫理審査は不要ですよね?」
ヘルスケア領域の企業や新規事業担当者の方から、
こうした相談を受けることは少なくありません。
結論から言うと、
単なる満足度調査であれば、基本的には倫理審査は不要なケースが多いです。
ただし、アンケートの内容や、その後の使い方によっては、
倫理審査が必要になるケースも多く存在します。
倫理審査が不要なアンケートの例
例えば、
- サービスの使いやすさ
- 接客対応への満足度
- UI/UXに関する意見
といった、
個人の健康状態や生活背景に踏み込まない内容で、
社内改善を目的としたアンケートであれば、
通常は倫理審査の対象にはなりません。
注意が必要なアンケートとは?
一方で、次のような要素が含まれる場合は注意が必要です。
- 生活の質(QOL)に関する質問
- 健康状態・体調・既往歴に関わる内容
- メンタル面や日常生活の困りごと
- 健康行動や生活習慣に関する詳細な質問
これらは、
たとえアンケート形式であっても「人を対象とする調査」に該当し、
倫理的な配慮が求められる可能性が高くなります。
また、質問の仕方自体も、倫理審査で審査されるポイントの一つです。
「公表する」時点で、見え方は変わる
さらに重要なのが、
そのアンケート結果をどこで使うかという視点です。
- 自社ホームページで公開する
- 雑誌・メディアに掲載する
- 学会やイベントで発表する
このように、
社外に向けて研究結果を公表する予定がある場合、
アンケートは「単なる社内調査」ではなくなります。
倫理審査では、
「対象者は適切に説明を受け、同意しているか」
「データの扱いは妥当か」
といった点が問われます。
データが出てから倫理審査をやり直すのは、もったいない
「良いデータが取れたら、後から倫理審査を通せばいい」
そう考えられることもありますが、
実務上、これは非常にもったいない選択です。なぜなら、下記の可能性が高くなるためです。
- 追加調査が必要になる
- 公表できずに眠るデータが出る
- 同じ調査をやり直すことになる
せっかく得られた知見を、
いち早く社会に届ける機会を逃してしまうことも少なくありません。
ヘルスケアサーカスが、アンケートでも倫理審査を推奨する理由
ヘルスケアサーカスでは、
アンケート調査であっても、
新たな知見が得られる可能性がある場合、
目的次第では、あらかじめ倫理審査を行うことを推奨しています。
なぜなら、
- 「こういう傾向があるかもしれない」
- 「次の研究につながるかもしれない」
そうした可能性を、最初から閉じてしまわないためです。
倫理審査は、事業や研究を縛るためのものではありません。
価値あるデータを、安心して世の中に届けるための土台です。
アンケート調査を、未来につながるデータにするために
「これは倫理審査が必要だろうか?」
「満足度調査のつもりだけれど、少し踏み込んでいる気がする」
そんな迷いのある段階からでも、
調査の目的や扱う情報を整理することで、見えてくるものがあります。
アンケートを、その場限りの調査で終わらせず、次の事業や研究につながるデータにするために、ヘルスケアサーカスでは、構想段階からアンケート内容を整理し、倫理審査の要否や進め方を一緒に考えています。
「まずは確認したい」
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